「国営マンが喫茶」問題について(コメントと意見)

 id:heatwave_p2p への返信ということでエントリーを立てます。
 以前の日記でも書いたとおり、ぼくは基本的にIDコールをされても返事を書くことはほとんどしません。
 今回は、ぼくの考えをざっくり整理しておきたい、という個人的な目的もあるので、お返事にかこつけてぼくの書きたいと思っていることを書きます。

国営マンガ喫茶」問題

経緯

 まず、ブコメの引用から。
 まずはぼくのブコメ

一部の人たちの意見に感じているいつも疑問。ハコモノ反対で「クリエイターへの直接支援」を文化庁に求めるって、それ本気で言ってんの?お上が?クリエイターに?直接?カネを?配布??

 次に、ぼく宛のメッセージはこれになるのかな。

欧州だとクリエイター・アーティスト助成とか手厚いとこも多いですよ。

ぼくのロジックが前提とするところ
  • 欧州でクリエイター・アーティストへの助成が手厚いことは、一つのモデルケースとして非常に参考になります。
  • 予算が割り当てられた以上、より効果的な使い方ということで、様々な意見が出てくることを歓迎します。
「ムダだから止めろ」論への反駁
  • まずは「ムダ」であることの理由を明らかとすべき。
    • 「マンガなんざ低俗だから政府は関わるな」なのか、
    • 「景気悪いだろJK、空気嫁」なのか、
    • 天下り先を作っているだけではないのか」なのか、
    • たんに「効率が悪いから別の方法にしろ」ということなのか、
  • たんに政府を叩くためのエサとしか思っていないなら、そんな人らになんか文化政策に口出ししてもらいたくはないんですが、いかがでしょうか。
直接支援しろ論への反駁
  • 基本的に、少なからぬ割合で、いわゆるハコモノ批判には、
    • 文化庁の役人は無能だから、どうせ大して役に立たない施設ができるのではないか
    • 無能な役人が選ぶような愚にもつかないような品物だけ陳列されても、アピールにはならないのではないか
  • みたいな、政府不信、役人不信が背景にあると推測されます。
  • しかし、クリエイター個々人を評価するというのは、技術的にとてつもなくハードルの高いことではないでしょうか。
  • それが可能なのだとしたら、文化庁の役人はとんでもなく優秀ということにはならないでしょうか。
要するに何が言いたいかというと
  • 文化庁の役人が無能だからハコモノはやめろ、というその口で
  • 文化庁の役人がとんでもなく有能でないと絶対に運用できないような「対案」を持ち出すことが理解不能ということです。
最後になりますが、ぼく個人の意見
  • 基本的に、生きているクリエイターには競争を続けてもらいたい。
    • 従って、政府からの資金注入は慎重であるべき*1
    • 一方、商慣習の関係でクリエイターが不利におかれている状況には積極的に介入すべき。
  • 逆に、亡くなったクリエイターの「作品」については、資金を注入して保存すべき。

*1:ちょっと考えてみれば、補助金ほしさに政府に阿るクリエイターが出てくるんじゃないか、ってことくらい考えつくでしょう。ハコモノ反対のひとらは、政府を賛美するクリエイターの登場が待ち遠しいのかな?