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医療とIT

 香川大医学部付属病院(石田俊彦院長)は、香川県医師会(森下立昭会長)や香川県と共同で、糖尿病に特化した県内外でのIT治療システムを年内に導入する。医療機関が糖尿病患者のデータなどをネット上で共有することで、患者はシステムに加盟している78の医療機関で糖尿病の専門治療を受けることが可能になる。

 システムは、医療機関同士で画像データなどを共有している既存の「かがわ遠隔医療ネットワーク(K―MIX)」を応用。システムに加盟する医療機関が患者の診療情報をサーバー上で共有し、病院間での医療連携体制を確立する。

 糖尿病患者は、医師不足が深刻な地域の診療所などでも専門治療が受けられ、主治医以外の専門医の意見(セカンド・オピニオン)も確認できる。病院や医師会は患者の病理・治療データや香川県の保有する健診データなどを利用し、新たな治療法や予防法の構築に役立てる。

 K―MIXは2003年6月に運用を開始。現在、加盟している医療機関は78施設(県内68、県外10)に上っており、石田院長は「患者数の多い糖尿病をきっかけに加盟施設を増やし、今後はすべての生活習慣病でのシステム確立に取り組みたい」と話している。