後出しジャンケン日記

 この日の分のポストは、2009/10/23にアップしました。

 JNSAの『平成20年度 情報セキュリティ市場調査報告書』を見ると,対象企業1520社が情報セキュリティ対策に投資した費用のうち,60%以上が「技術的対策」となっています。従業員教育や体制整備などに関する「組織的対策」や,プロセス面での整備に関する「監視体制」は,いずれも10%台です。これは適度なバランスなのでしょうか。

 情報漏えいの原因の多くが管理上のミスであることを考えると,既に偏重していると言える「技術的対策」をさらに強化しても,どの程度の効果が得られるか疑問が残ります。

 フィッシング詐欺、ハッキング、ソフトの違法流出…。インターネットの普及につれ、急増する犯罪の数々。これらサイバー犯罪取り締まりの“トップランナー”として、全国的にその名をとどろかせているのが、京都府警ハイテク犯罪対策室だ。これまでにファイル交換ソフト「winMX」(ウィンエムエックス)ユーザーの初逮捕や「winnyウィニー)」の開発者逮捕など、ネット界を揺るがす大事件を手がけてきた。

 winMX捜査の突破口となったのが、違法ファイルを放出するユーザーにネット上でアプローチし、捜査員側と直接接触する大胆な手法。匿名性が高く、外側からでは証拠固めが困難な犯罪に対し、府警の捜査員が思いついた「発想の転換」だった。この手法はその後、ファイル共有ソフト取り締まりの標準型となる。

 「サイバー」だの何だの言ったところで、けっきょくセキュリティの問題は人間に行き着くのですな。