今日のクリップ

御用聞き体質の弊害

コスト偏重の考え方はどうしたものか

IT業界はこれまで、さまざまな局面での「削減」目的にかなう道具としてITを売り込んできた。10年前のTCO(所有総コスト)は言うに及ばず、今のクラウドコンピューティングも「ITコスト削減」がうたい文句である。
 だが、ユーザー企業の経営者や事業部門のトップがITにかける第一の期待は、IT業界が考えるのと同様にコスト削減だろうか。

 これは、考えさせられる記述だと思う。

ビジネスイノベーションを見据えた上での、ユーザーとベンダーの関係性

 この数字だけ聞くと大規模な市場に思えるが、問題はIT業界が主役ではないことだ。商社やネット事業者が中核になる可能性が高いのである。最近は商社が「ITサービス事業開発」の組織を設置する例が続いている。商社がコンサルティング会社やSIを傘下に置く時代が来る。

 このくだりに対するぼくの見解は、まずぼくがつけたブコメを見て欲しい。

"最近は商社が「ITサービス事業開発」の組織を設置する例が続いている"んで、ビジネスにならなかった商品をサポート部隊に負の遺産として押し付けて、自分たちはさっさと「次の新規ビジネス」に精出す、と(・ω・`).

 ITってのは、会社資産である。会社資産の中でも、どちらかというと耐久財に近い。
 耐久財というのは、年単位で面倒を見なければならないものだ。
 商社ってのは、基本的に右から左へ商品を受け流すビジネスモデルだから、薄利多売なのだ。薄利多売のビジネスというのは、利益率が非常にシビア。ビジネス的に失敗した商品を抱えておくことは、ゼロどころかマイナスになる。
 その点で、オーダーメード文化がずっと続いてきた日本のSIerとは商流の性質が正反対と言わざるを得ない*1

*1:最近でこそ、アバターみたいに部品を組み合わせてシステムを作るビジネスが出てきたけれども。