今日のクリップ

Web関連

Microsoft×米Yahoo!

 非IT系メディアにとっても無視できないインパクトのようです。

日本国内で検索サイト首位のヤフー日本法人は、ソフトバンクが41%株式を保有。米ヤフーとは独自路線を引き、今回の提携話がヤフーの日本事業に反映されるかは微妙だ。ただ、MSとの間で日本で独自の協力関係を結ぶ可能性も否定できない。

 海外のYahoo!の動向を、日本国内のYahoo!Japanの動向と連動していると見るのは適切ではないですね。
 米国Yahoo!Yahoo!Japanでは、提供しているサービスのラインナップにも違いがありますからね。
 あと、日本の大手ポータルでもロボット検索についてはGoogleに外注しているところが少なくないのですが、Yahoo!Japanは以前から独自エンジンを使ってきたということを付け加えておきましょうか。

IT業界

SIer×メッタメタ

SIerの経営方針としては、「どんなカタチにせよ、生産性を高めるのである」という方向に行くと思います。生産性を高める要因は2つしかなくて、「開発プロセスの改善」と「ソフト生成の自動化」です。要するにワンタッチでポンでシステムが出来ればすげぇじゃんっていう発想。でも、そもそも要件定義が終わると全部終わるので、どうにかして改善されたプロセスを最大限に働かせるアジャイル的プロセスへの移行は不可避だと思う。

 SIerが、「開発プロセスの改善」と「ソフト生成の自動化」で生産性を高めようという発想にいきつくことは理解可能。
 だけど、それがアジャイル的プロセスに移行するというところが、どうやっても理解不能
 「ソフト生成の自動化」ということは、要件定義が完了した段階でそれこそ実装の深いところまで固まってないとおかしいわけですよ。*1
 要件定義レベル、つまり上流工程では、技術的な詳細なところまでは立ち入らないのが普通なんじゃないですかね。「全体最適(笑)」のためには、ミクロな視点に長時間留まっていてはいかんわけですから。
 次に、「開発プロセスの改善」を、上流工程に適用した場合の話。
 基本的に、アジャイルが意味を持つのは、「今やっておくべき試行錯誤を後工程に出さない」というポリシーが有効な場合なんじゃないですかね。あ、まさにこれってカイゼンの発想なんですけど。「前工程の試行錯誤は、後工程の試行錯誤より安上がり」という一般法則に基づいていますからね。
 ですが、生産性を高めるためにはそもそも何をしなければならないか。それは「試行錯誤の回数を減らす」ということなのですよ。
 で、その「試行錯誤の回数を減らす」為には何をしなければ成らないか。「開発プロセスの改善」と相成ります。
 「試行錯誤の回数を減らす」には、「開発プロセス」を標準化したほうがいいですからね*2
 基本的に「やっていい工程は上流工程だけ」で、かつ「試行錯誤はなるべく減らせ」という指令が上から飛んでくるようになるのではないでしょうか。矛盾した要求ですがその矛盾は下流にツケ廻されます・・・なんか耳慣れた話ですね。

と、いうわけで

 ふつうに考えれば、それこそCMMIのレベル5を目指すとかそっちの方向に流れて、ウォーターフォールが「超」ウォーターフォールになるとか、それくらいしかシナリオが思いつかないわけです。*3
 ・・・ひょっとして、日本のIT産業の市場が、メタのレベルでメッタメタにされて、誰の目にも明らかなレベルで外資の植民地になるとか、そういう話?

関連?

金融庁は、日本版SOX法を策定する際に「米国SOX法は企業の負担が大きすぎたのでその点を修正し、企業の負担を減らすことで定着化させたい」というコンセプトを持っていた。一部の識者から、“ルーズSOX”と呼ばれたほどだ。

 爆釣。

*1:実際には「固める」のではなく、SaaSとか何とかを使って、すでに「固まって」いるものを当てはめるのだ、という言い方もできるわけですがね。「作らない開発」というやつですよ。

*2:共有ですよ共有。

*3:実際、そっちの方向に流れているという個人的感触があります。