雇用問題は続くよどこまでも

介護・福祉業界

官製ワープア業界だと?

 「介護人気」に潜む危うさ:日経ビジネスオンライン
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 景況とかブームで雇用を拡大した産業って、ディケイド単位で栄枯盛衰を繰り返すイメージ。
 一般に、景気が悪くなると薄利多売ビジネスが成長する可能性が高まるわけだが、景気がよくなってくるとそうした会社も高級ブランド戦略にシフトするわけですよ。牛丼屋が定食専門店を立ち上げるとか。


 もっとも、介護・福祉分野に関しては、これまでもずーっと供給不足で苦しんできたし、この先需要が先細りする要素が全くない点で、10年後衰退する要素はないわけですが。

 成長産業の最大の弱点は、まさにその成長そのものにある。人が増えればそれだけスキルやモチベーションの面で期待できる水準が下がっていくのは当たり前なわけで。
 介護・福祉関連とか、まさしく人海戦術に頼らざるを得ない業界。かつてのITドカタと同じ境遇じゃない。

 人海戦術だから、生産性を高めるのがすごく難しいし、変動費の割合も大きくなるだろうから規模のメリットも得られにくい。
 となると、ものすごい付加価値をもったラグジュアリー(笑)なビジネスモデルにするか、あるいは営利事業を諦めるかの二択になってくる(NPOとか)。
 前者は、不況にものすごく弱いビジネスモデルになるし、後者はそもそもニッチなところにしかフィットしない仕組み。

 皮肉な結果になっているのは、高齢者雇用だよね。
 もともと、若者に負担をかけないため、健康な高齢者を働かせようというわけだから。
 言うまでもないけど、働いて収入を得られれば、その間年金に頼る必要がなくなる。しかも社会保証のフレームワークの方にもいくらかキックバックしてくれたりするわけだから。

 んで、高齢者雇用のために若者の働き口が奪われているとか何とか、って話になってくる。
 ここで、高齢者雇用を止めて若者を雇ったとする。それでキャッシュが社会全体を環流するようになればいいんじゃね、って話になるわけだけど。
 個人的には、そういう意見もどうかな、という感じだったりする。

 いくら体が健康でも、一度引退してしまうともう二度と勘が戻ってこないという話はよく聞く。
 いや、もう仕事しないんだからいいんじゃね、という話には留まらないんだこれが。
 何が問題かというと、えてしてこういう場合仕事以外の勘も戻ってこなくなるってことだ。一言でいうとボケやすくなるって話。痴呆症とか、そういうレベルまでいかないにしても、だ。

内定取り消し問題

今昔物語

 ある人事担当者の言葉 - 日経ものづくり - Tech-On!
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 「内定ってのは契約なんだよ,契約!!」。(中略)この不況で内定取り消しになった学生が怒っているのか?と思いきや,若々しい声ではありません。(中略)企業の人事担当者とのことです。
 (前略)20年前(1989年),つまりバブル時代の出来事(中略)でした。この人が今も人事担当者で,内定を取り消された学生からの電話を受けたらどう返答するのかしらと,つい意地悪なことを思ってしまったのですが,20年前とは企業と学生の関係が正反対になったことに改めて驚きを感じました。

 バブルからはや20年。この記者が見たものは、20年前の世相を振り返ると言う趣旨のテレビ番組だったそうだ。